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がんばれドリラー。

「がんばれドリラー」  知ってる先生が顧問の高校生たちが、天文部でピンホールプラネタリウムを作ってて応援したかったので、書いてみた。 それと、その時、「穴あけがうまくならないんだったら、向いていないからやめたら」みたいな発言してる人がいて、そうじゃないだろと。 彼は本屋で立ち読みした雑誌でピンホールプラネタリウムというものに興味をもち、自分で作ろうとした。 星図をアルミボウルに描き写し、ドリルで穴を開ける。 彼は金属加工の技術は何も持っていないし、天文学の知識もない。 でも彼は、プラネタリウムを作ってみたかったのだ。 穴は思った位置に開かないし、ドリルの刃は細くてどんどん折れていく。 それでもなんとか数百個の穴を開け、豆電球を入れて部屋の壁に映してみた。 星は大きくて本物らしくはないが、意外にきれいに映ったので彼はうれしかった。 しかしとんでもない大失敗に気づく。 星空が裏返しだった。ど素人だ。大笑いだ。彼は落胆した。 誰にも見せずに、誰にも話さず、プラネタリウムは捨てた。 でも誰にも話さなかったので、「馬鹿じゃないの。もっと勉強してから作ればよかったのに」とか、「不器用なんだから向いてないよ。作るのはあきらめたら」とか言われることはなかった。 それから1ヶ月たって、彼は材料を買って来て、またプラネタリウムを作り始めた。 トレーシング紙にコピーして裏返しの星図を作った。失敗から学んだのだ。 数百個も穴を開ける練習をしたわけなので、穴開けは結構うまくなっていた。 がんばれ。 そのプラネタリウムはその後35年以上も使われることになるのだ。 がんばれドリラー。

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